ガンプラの塗装にチャレンジしようとしている方は「仮組み」という言葉を聞いたことがあると思います。
けれども、
- 「仮組みって何?」
- 「仮組みをする意味ってなんなの?」
- 「上手くばらせるの?」
といった疑問を持っている方も多いのではないでしょうか?
筆者はガンプラ始めたての頃、仮組みを何のためにやるのかわからないまま、とりあえず組んで「どうせまた塗装のためにバラすなら一度組む必要なくない?」とか思っていました。
そして、いざ塗装する時に重大な失敗に気づき痛い目に合うのです・・・(泣)
この記事ではガンプラ塗装初心者の方が、筆者と同じような過ちをしないように仮組みの目的とやり方を解説していこうと思います。
仮組みの目的
結論から言うと、『改造・全塗装する前にどんな工程が必要になってくるかを見積もる』ということで、改造・全塗装が前提となります。パチ組みして完成!の方は必要のない工程です。
仮組みの時、チェックするポイントとして次の5つのことが挙げられます。
- 合わせ目、パーティングライン、ヒケが目立つところはどこか
- 一度組んだら外れない、はめ合わせがきつい箇所はないか
- 全体のプロポーションの確認
- 可動域の確認
- 塗装の計画を立てる
これらを事前に確認しておくことで作業の計画が立てやすくなります。
仮組み時のチェックポイントについては以下の記事で詳しく解説しているので、合わせてご覧ください。
仮組みでやっておきたいこと
ここでは仮組みをする時、最低限やっておきたいことを解説します。次のことを行うことで後の作業の効率がグンっとよくなります。
1つずつ見ていきましょう。
パーツを確認しよう
まずはパーツを袋から取り出したら次のことを行います。
不要パーツを取り除く
説明書のパーツリストを見てみましょう。
✖️印のついたパーツがあると思います。(✖️印がないキットのほうが多いかも)
最初に✖️印がついているパーツを取り除くことで、組み終わった後に「パーツが余った!どこ!」と焦らず済みます。
またパーツの全切りをしているならムダにゲート処理などをしなくて済みます。
不良部品がないかチェックする
ランナーについているパーツをザーっと見ていきましょう。ごく稀に成形不良や大きなキズや欠けたパーツが入っていることがあります。
自分で修理できるスキルがあれば別ですが、もしできそうにないなら素直に部品注文しましょう。
ランナーの材質を確認する
説明書のパーツリストのランナータグの隣に「PS、ABS、PE」などと表記されています。
これはそのランナーがどんなプラスチックの材質なのかを表しています。
それぞれのプラ材には特徴があるので、工作、塗装を前提とするならあらかじめ確認しておくと失敗、事故を防げます。
分解を楽にするための下準備
次に楽に分解ができるように組み立て時にやっておくことと、バラし方を解説していきます。
スナップフィットの処理
ガンプラは「スナップフィット」と呼ばれるプラ材の弾性を利用してはめ込む方式が採用されており、一度組み立てると分解が困難になるように設計されています。
そこではめ合わせにかかる力を緩くする方法を紹介していきます。
ダボピンをカット
パーツの裏側についている突起をニッパーで短くカットすることで受け側にかかる力を弱める効果があります。
ダボ穴に切れ込みを入れる
ダボ穴の一部にニッパーで切り込みを入れることで、受け側にかかる圧力を逃がす効果があります。
ちなみに筆者は、ほとんどダボ穴に切り込みを入れて処理しています。
処理の手軽さ、保持力、分解にかかる力がちょうどよいと感じるからです。
ガンプラにおいて上記のピン方式によるスナップフィットが大半を占めていますが、それ以外にも「スライドによるはめ合わせ」があります。
こちらは凸ピンをヤスリや平ノミなどで薄くしたり、凹み側の穴を広げることで圧力を弱めてやります。
分解の仕方
仮組みが終わり、作業の見積もりが完了したら分解するのですが、このとき分解するための下準備をしっかり行っていれば、簡単にパーツを分解できると思います。
もし簡単に外れないようならこじ開けツールを使って慎重にこじ開けましょう。
基本的な使い方を解説していきます。
まずはパーツにわずかな隙間を開けます。
パーツに傷が付かないように慎重にパーツオープナーの先端を差し込んだら、
テコの原理を使いながらパーツの隙間をじわりと広げていきます。
コツはゆっくり力を加えていくことです。焦らず分解していきましょう。
分解したパーツの保管方法
分解した後、慣れていないとパーツの判別がつかなくなる恐れがあるので、部位ごとに容器に保管することをおすすめします。
頭部、胴体、腰、腕、足にパーツを分けて、仕切りケースやタッパーに保管しましょう
こうすることで説明書を読めば形状を確認して再び組むことができます。
ちなみに慣れてくると形状を見ただけでどの部位のパーツなのかわかるようになってきます。
まとめ
仮組みを行うことで、
1、失敗・事故の元を事前に知ることができる
2、改造、塗装の計画が立てやすくなる
といったメリットを受けることができます。
スナップフィットの調整は最初はパーツに刃を入れるのをためらう気持ちが出てしまうかも知れませんが、やってみると案外できちゃうものです。恐れずチャレンジしてみましょう!